メンタルヘルス



- こころの健康の維持増進のてがかり -







1 こころの健康を考えよう  (理論編)


ストレスとは何か

物理学におけるストレス:物体に力が加えられた時に物体内に生じる「歪み」を指す
医学におけるストレス :体の外からの有害刺激によって生じた生体内部の歪みの状態


ストレッサーとストレス(本来の意味)

ストレッサー:ストレスを引き起こす因子
ストレス   :ストレッサーによって引き起こされた状態

(但し、日常では「ストレス」という言葉の中に「ストレッサー」の意味も含めて言葉が使用
されている)


身のまわりにあるさまざまなストレス

物理的ストレス (暑さ、寒さ、騒音、大気汚染等)
生理的ストレス (ウィルスや細菌感染、疲労、過労、栄養不足等)
精神的ストレス (不安、恐怖、驚き、焦り、イライラ等)


ストレスを受けた時のさまざまなサイン

無口になる、イライラする、起こりっぽくなる           →内向化の方向
眠れなくなる、胃腸の具合が悪くなる、風邪などで寝込む   →身体化の方向
飲酒に走る、むちゃ食い・やけ食いをする、衝動買いをする  →行動化の方向


ストレス処理の3つの方向

内向化:心理的ストレスを心の中で悩みながら解決してゆく処理のパターン
     日常  クヨクヨ考える → 一種こころの浄化が生じ体験の生々しさ消える
     病気  ストレスのもとの体験が、いつまでも同じ強さで心の中に反復される
          神経症、うつ状態、うつ病等

身体化:身体の方向にストレスによる反応を流してゆく処理のパターン
     日常  肩がこる、頭痛がする、風邪をひく、お腹をこわすなど、一過性の症状 
     病気  心身症など、ストレスが実際の体の病気としてあらわれるもの

社会行動化:行動の面へストレスによる反応を流す処理のパターン
     日常  おこって物をなげつける、マイカーをとばす、憂さ晴らしの飲酒、
          ゲームやギャンブルに熱中する等 
     病気  様々な不適応行動、欠勤多発、無断欠勤、失踪、自殺未遂、
          ギャンブルへの過度の没頭、アルコールや薬物への依存、買い物依存、
          多額のローン設定等
 




うつ状態チェック

最近1ヵ月の自分自身をふりかえって、各項目に次の基準で印をつけましょう。

いつも=◎    しばしば=○    ときに=△

1 気分が沈みがちで憂うつだ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・〔  〕
2 些細なことで泣きたくなることがある ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・〔  〕
3 夜よく眠れない ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・〔  〕
4 最近、体重が減った・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・〔  〕
5 便秘がある ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・〔  〕
6 ふだんよりも動悸がする・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・〔  〕
7 理由もなく疲労感がある・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・〔  〕
8 落ち着かず、じっとしていられない・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・〔  〕
9 普段よりイライラ感がある・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・〔  〕
10 自分がいない方が皆のためだと思う ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・〔  〕
11 朝方にいちばん気分の悪さがある・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・〔  〕
12 食欲不振である・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・〔  〕
13 異性に関心がもてない・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・〔  〕
14 気持ちがいつもよりサッパリしない ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・〔  〕
15 手慣れたことが簡単に出来ない ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・〔  〕
16 将来のことに希望がもてない ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・〔  〕
17 判断力が無く迷うことがある ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・〔  〕
18 毎日の生活に張りと充実感がない ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・〔  〕
19 今の生活に満足していない・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・〔  〕

合 計     点

[判定基準] 採点 : ◎は3点   ○は2点   △は1点として、合計点を出す。
 
 
合計点が  10点以下・・・・・・・・・・・・・いまのところ大丈夫
       11〜20点・・・・・・・・・・・・用心すること
       21〜30点・・・・・・・・・・・・要注意
       31点以上・・・・・・・・・・・・・専門医に相談が必要




うつ病の原因

環境 : 職場の人間関係、仕事の量や内容、家庭の状況など
内因 : もともとの素質や体質
性格 : まじめで几帳面、責任感が強い、完全主義等


自殺の危険を示す兆候

1 イライラや不安、自責の念が強く、落ち着かない様子である。
2 不眠状態が続いているようだ。「眠れない」といって悩んでいる。
3 誘っても他人の輪の中に入っていこうとせず、一人でいることが多くなった。
4 「死にたい」と口にする。
5 「誰もいないところへ行きたい」「このまま消えてしまいたい」「もう目が覚めなければいい」 
  「この先やっていく自信がない」など自殺をほのめかすことをいう。
6 以前にも自殺を企てたことがある。
7 適量を超えた薬を服用する、体を傷つけるなど、死ぬ危険が高くはなくても自傷行為を行う。
8 不注意による事故、事故につながりかねない危険な行動を何度も繰り返す。
9 自分の身の回りを整理したり、知人に手紙を書くなど、別れの準備をする。
10 経済的な問題や慢性的な病気など、早期の解決が困難な問題を抱えている。


「うつ」になっている人への周囲の人の対応のしかた

1 ストレスや心の病について理解する。
2 「いつもと違う」という感じを軽視しない。
3 本人の話をよく聞く。必要があれば、同僚や友人などからも情報を得る。
4 受診をすすめる理由を率直に話す。
5 本人に病識がない場合、職場の人は家族に協力を求める。
  「この先やっていく自信がない」など自殺をほのめかすことをいう。
6 職場の人が主治医へ問い合わせる場合は、本人の了解を得てから行う。
7 判断に迷う場合は、管理者のみが主治医に相談する。
8 治療法や治療期間などについて確認する。
9 仕事から離れて治療に専念できるように配慮する。
10 「がんばれ」と励ますのではなく「ゆっくり休め」といってあげる。


うつ病の精神症状が消えてゆく順序

うつ病の治療を始めると、以下の順序で精神症状が消えていく

1 イライラ
2 不安
3 ゆううつ
4 根気がない
5 興味がない
6 楽しくない





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