性格とストレス
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ストレスの影響が現れやすい性格について考えてみよう
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執着性気質 : まじめで几帳面な努力家
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タイプA行動パターン : 有能で競争心が強くエネルギッシュ
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タイプC行動パターン : 自己主張がへたで自分を押し殺す
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自己愛性人格障害 : 挫折を知らないエリートタイプ
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脅迫性人格障害 : 自分流のやりかたにこだわる完全主義者
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回避性人格障害 : 引っ込み思案で対人関係が苦手
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性格がストレス病の直接の原因になるわけではなく、ストレス病のいくつもの因子のうちの
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1つ。病気と性格との関係を知ったり、自分の行動の特徴的パターンを知ることは、自分の意
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思でそれを変えることが出来、病気のリスクを避けることが出来るといえる。
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自分の特徴的な思考や行動のパターンを知り、その生かし方を見つけることがストレス病を
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避け、自分らしさや個性を発揮することにつながる。
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ストレスをためないための10箇条
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1 規則正しい生活を心がける。
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2 就寝前の1時間は仕事のことなどを考えず、心身をリラックスさせる。
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3 信頼できる相談相手を作っておく。
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4 愚痴を言う。
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5 利害関係のない人と会う。
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6 映画、テレビ、音楽、スポーツ、旅行などを楽しむ。
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7 散歩やストレッチ体操などの軽い運動を毎日の生活に取り入れる。
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8 自分の気持ちを抑え込まず、喜怒哀楽を表現する。
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9 ムリ、ムチャをしない。
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10 頑張ったら休むようにする。
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3 ストレス・マネジメントの技法 (実践編)
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呼吸法
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座禅やヨガの技法として知られている腹式呼吸は、健康法として知られてきたが、現在では
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ストレス・マメジメントの技法の1つとして実践されている。
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腹式呼吸法 : 息を吸った時におなかがふくらみ、はいた時におなかがへこむ呼吸の仕方。
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技法 1 息を吸っておなかがふくらみ、もうこれ以上吸えなくなったら、吸う時の倍くらい
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の時間をかけてゆっくり息を吐き出す。この呼吸の仕方を2〜3分続ける。
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数息 : 腹式呼吸をしながら数を数えるやり方。
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技法 1 上記の腹式呼吸と基本的には同じだが、息を吸ってから吐き出す際に「ひと〜
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つ」と心の中で数を数える。吐ききって再び息を吸い、吐き出す際に、また、
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「ひと〜つ」と心の中で数を数える。
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(これをゆっくり繰り返してゆくと次第にぼんやりとリラックスした状態になる)
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技法 2 腹式呼吸をしながら、息を吸って吐き出す際に、1〜10まで呼吸を数え、10
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まで数え終わったら、また1にもどって、1〜10まで呼吸を数えるやり方。途
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中で数が解らなくなったら、また1から数えなおす。
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(集中できる時間が次第に長くなり、その間リラックスできるのがわかる)
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技法 3 腹式呼吸をしながらイメージをうかべる方法、気功などで 「小周天」などの名
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称で呼ばれている。まず息を口からゆっくり吐き出して、吐ききったら鼻から
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息をスーッと吸い込んでいく。息を吸いながら吸った息が、頭のてっぺんまで
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吸い上げられて、次に、首の後ろ側を通り、背中に沿って腹部に降り、そこに
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空気が溜まることをイメージする。息を吐く時は、腹に溜まった空気が、胸の
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前を通り、口からゆっくりと吐き出されてゆくことをイメージしながら息を吐いて
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いく。
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(呼吸は肺で行われているものであるが、呼吸につれイメージの上で身体の
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各部に注意を移していくことに通常とは違う、イラックスに適した意識状態へ
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人を導く効果がある)
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自律訓練法
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自律訓練法はドイツの精神医学者ヨハネス・ハインリッヒ・シュルツによって1932年に考案
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された。自律神経に働きかける訓練を通して、ストレスから生じる緊張を和らげリラックスをはか
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る心身の調整法である。現在では心療内科などでの医療の場だけでなく、「心の体操」などの
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名称でストレス・マネジメントの技法として一般の企業の中など産業の領域でも広く実践されて
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いる。効果は健康の維持増進、創造性の開発などにもおよぶ。
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宇宙飛行士の毛利さんはNASAの訓練センターで、訓練の一環として自律訓練法の指導も
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受けている。
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訓練の準備
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普通の椅子に座った姿勢
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(いつでも、どこでも、ちょっと時間のできたときに練習できる姿勢)
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(1) 手 順 − 自律訓練法の練習に入る準備 −
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@ ネクタイ・ベルト・襟元のボタンなど、体を締め付けているものをゆるめ、気になる場合に
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は、眼鏡・時計などをはずす。
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A 椅子に深めに腰をかける。
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脚を肩幅より少し開き気味にして足を前に出す。膝の角度は鈍角にする。
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※ 力を抜いた時、膝小僧が外側に割れるように開く。
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※ 女性の場合、膝掛けなどを用意すると練習がしやすい。
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B 背筋、首筋を伸ばして正面を見る。
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※ 床面と身体(背筋)が直角になるようにする。
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C 手はももの上のやや内側に、力を抜いて軽く放り投げるように置く。
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D 腹式呼吸で深呼吸を2〜3回行う。
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E 息を吐きながら同時に体の力を抜き、首筋に入っている力も抜いて首を前に垂れる。
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(注意Bにあるように頚部に障害のある人は、少し姿勢を変えて練習する。また、普段
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から肩こりのある人は、最初は首を立てた姿勢で練習し、慣れてきたら首を前に垂れる
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姿勢に移る方がよい)
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F 軽く目を閉じる。
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(2) 注 意
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@ 椅子は背当てがあって、肘掛けのついていない、つま先もかかとも余裕をもって床につ
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く高さのものを選ぶ。(椅子の座り心地が気になる時は、座布団やクッションを利用しよ
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う)
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A 力を抜いた時、顔やアゴの力も抜く。歯と歯のかみ合わせもゆるめて、口は少し開き気
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味にする。また、腹部はあまり深く折り曲げないようにする。(顔の力を抜くコツがわかり
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にくいときは、眉をひそめて眉間に力を入れ、次に、力を抜いて眉をハの字にしてみよう)
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B むちうち症やその他の怪我など、頚部に障害のある人は、首を下げた姿勢は避ける。
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(安楽椅子がある場合には、安楽椅子に肩や首、頭までをもたせかけて練習しよう。安
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楽椅子が用意できない場合には、椅子を壁際に持っていって、壁に頭と背をもたせかけ
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壁で頭を支えるようにする)
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あお向けに寝た姿勢
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(夜休む前や、ベッドやソファがある時、この姿勢で練習する)
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(1) 手 順
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@ 体を締め付けているものを、ゆるめるかはずす。(椅子姿勢の準備と同じです)
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A ベッドや布団の上にあお向けに横たわり、厚めの座布団一枚ぐらいの高さの枕を、肩に
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も少しかかるように深く当てる。
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(※ 首から上の頭の部分だけが枕に乗っている形になると、首や肩の緊張がとれにくかっ
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たり、肩こりや不眠などが起こりやすくなる。枕は肩までかかるくらいに深くあてるのが良い)
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B 手は体から少し離し、両脇に置く。この時、指、手首、肘の関節部分は、それぞれ心もち曲
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がり気味にしておくとゆったりできる。
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C 両足を軽くV字型に開く。
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D 軽く目を閉じる。
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E 腹式呼吸で深呼吸を2〜3回行う。
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F 息を吐きながら体の力を一気に抜いてゆく。
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(2) 注 意
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@ 高すぎる枕や、柔らかすぎる布団や枕、マットレスなどは避ける。
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A 肘や膝が浮いてしまう場合は、たたんだ毛布や座布団、小さな枕などを肘や膝の下にあて
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がって姿勢を調整しよう。
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B 力を抜いた時、顔の眉間や、ほほ、アゴの力も抜く。歯と歯のかみ合わせも弛め、口は少し
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開き気味にすると、ほほやアゴの部分の力も抜きやすい。
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